主催:アース製薬株式会社 共催:朝日新聞社メディアビジネス局

第2回 アース虫ケアセミナー2021第2回 アース虫ケアセミナー2021

採録

ドクター夏秋の愛するマダニとトコジラミの話

夏秋 優(なつあき・まさる)先生兵庫医科大学 皮膚科学 教授

夏秋 優 先生

世界中で5万種以上、日本でも2000種類ほどのダニが、人類の生活環境で共存しています。一般に嫌われ者ですが、悪者ばかりではなく、害虫に寄生したり動物の死骸などを分解する有益なダニもいます。

私が愛するマダニは、大型の種で体長2〜8ミリ程度。野生動物に寄生して、日本では40種類ぐらいが生息しています。

マダニの怖さは感染症です。ごく一部ですが、体内に何らかの病原体が共存している場合があって、吸血の際に皮膚に注入されると感染症が起こることがあります。刺された時、早く気付けばピンセットでつまんで除去できますが、3日以上食いつかれた時は無理に引っ張ると口の部分がちぎれて残る場合がありますので、すぐ皮膚科を受診してください。野外活動をする際は、長袖・長ズボンを着用し、虫よけスプレーを活用します。足元含め、ムラなく塗り拡げることが大切です。

最近宿泊施設内などで繁殖が問題になっているのがトコジラミ(別名ナンキンムシ)です。壁、ベッドの周辺、畳の裏などの隙間に生息し、夜になると出てきて寝ている人の皮膚から吸血して成長します。カバン、衣類、書類や家具などを介して、卵、幼虫、成虫が宿泊施設や他の住宅にも拡散するので注意が必要です。

トコジラミはマダニと違って感染症は媒介しません。吸血しても病原体を人体に注入しないからだと言われています。かゆみや赤みは市販の虫刺されの塗り薬で改善しますが、駆除が重要です。しかし、完全な駆除はご家庭では困難で、プロの駆除業者に依頼するのが確実です。

私はダニをはじめ様々な毒虫を飼い、自ら刺される実験をしてきました。その虫に刺されたら、皮膚がどうなるのかということを正しく知りたいからです。真実を知るための科学として適切な知識を持って行っていますので、皆さんは決して真似をしないようお願いいたします。

講演のまとめ

  1. 1マダニは感染症の恐れがあるので、長く食いつかれた場合、無理に引っ張らないで皮膚科受診を。
  2. 2野外活動の際は長袖・長ズボンを着用し、虫よけスプレーをムラなく塗り拡げて活用することが大切。
  3. 3宿泊施設などで繁殖しているのがトコジラミ。卵や幼虫・成虫が衣類などについて拡散する。
2019年採録