2022年 採録record
セミナー参加者からあらかじめ寄せられた質問に、講演者の先生方が答えました。
虫と安心して暮らすヒケツ
【参加者】五箇公一先生、忽那賢志先生、アース製薬研究員・有吉立氏
- 司会
- 「これまで、あまり虫ケアには気を配っていませんでしたが、都市部で気をつけるべきポイントはありますか?」という質問が寄せられています。
- 五箇
- 都市部はヒートアイランドといって冬でも暖かい場所があるので、本来、夏しか出ない蚊や吸血性の害虫が、冬にも発生できる環境が整っています。アライグマやハクビシンといった外来動物も今は都市部に増え始めていて、こういった動物は蚊やダニのいい餌資源にもなっていて、都市部の中だけで害虫の生態系が上手く循環できるようになっています。だからこそ都市部の蚊には気をつけなければいけません。虫ケア用品などをしっかり活用していただき、できるだけ害虫が発生しない環境を身近につくることが大事です。と同時に、虫のことをよく知っておくことも大切ですね。
- 司会
- 「マダニに刺されて慌てて自分で引き抜いてしまい、見た目では痕に牙など何も残っていないように見えるのですが、これは放っておいてもいいものでしょうか?」
- 忽那
- マダニは、くちばしに返しがついていますので、ご自身で無理に引っこ抜くと、そのくちばしの部分だけ残ってしまって、肉芽になってしまう可能性があります。私も手のひらを刺されて、肉芽ができたことがあり、しばらく盛り上がって痛みが続きました。くちばしが残らないように、皮膚科の先生などにピンセットで抜いてもらった方がいいと思います。その後、大丈夫なら様子を見ていただいてもいいのですが、まだダニが残っているようなら、病院で受診していただいた方がいいでしょう。
- 司会
- 「虫よけ剤の効果的な使い方と、虫よけ成分ディートが効果的な害虫について教えてください」
- 有吉
- 虫よけ剤は、ムラなく塗ることが大事です。お子さんに使うときは、大人の手にいったん出してから、手で塗ってあげた方がきれいに塗れます。「日焼け止めと虫よけ剤、どちらを先に塗るといいか」とよく質問されるのですが、日焼け止めを先に塗って、その後に虫よけ剤を塗ってください。特に夏場はもう一度塗り直すこともあると思いますが、その際も日焼け止めを塗ってから、虫よけ剤も再度塗り直してください。また、虫よけ成分ディートが効果的な害虫は、蚊やマダニ、ノミ、トコジラミ、ブヨなどが挙げられます。パッケージの裏やHPにも書いてありますので、チェックしてみてください。